≫モリスト(森林療法研究会・静岡)≪

 ≪「モリスト(森林療法研究会・静岡)の発足≫
 モリストは,「NPO 森林インストラクターしずおか」の有志を発起人に平成十六年四月に設立しました。現在の会員は,小児科医,精神科医,整形外科医,農林業家,森林インストラクター,自然体験指導員,環境教育指導員など様々な専門分野の三十六名に加えて,サポートスタッフとして二十名ほどが登録しています。私たちの活動は「モリスティング」と呼び,医師とのコミュニケーションの下,森林インストラクター型森林散策を行います。自然の面白さ,不思議さを案内して,「森林浴」を楽しんでもらうためのプログラムを企画し,毎月の定例イベントの他,季節に応じた臨時イベントを実施しています。ただ森林散策をするだけでなく,みんなで食べ物を作ったり,水と触れ合うプログラム,その他スタッフが思い付いた楽しそうなこと,参加者の意見,感想をできるだけ多く取り入れて,たくさんの『笑顔』を求めるプログラムを実施しています。

 ≪モリスティング≫
 森の中では,身の回りの環境を五感で受け止め,「本能」を呼び覚まします。そして,五感を通して得た情報をベースに本能的な行動を続けると,心身共にリラックスして自分自身を見つめ直す時間をもつことができ,人間関係や抱えている問題など,色々な事柄を多面的に見ることができるようになります。「モリスティング」は,楽しんでもらう中からストレスを解消してもらい,開放的な自然の中で自分を客観的に見つめて,自分自身に素直になる時間を作ることにあります。この効果を引き出すためには,場所(森林)の選び方や事前準備に綿密な下調査と工夫が必要であるばかりでなく,現場の森林の中での過ごし方を上手に導くことが求められます。

 ≪静岡スタイル≫
 モリストは,設立当初より「静岡県自閉症児・者親の会」の方々との協働というベースがありました。医師の方々からの紹介で参加される軽度発達障がい児とそのご家族,不登校の児童・生徒さんなどの参加もあり,「親しみやすく,心地良い環境」を提供しようという点を意識しています。ですから,できるだけ木目細かく接したいという想いから,イベントでは一家族に一人のスタッフを担当として付けています。その結果,「ウチの子に自然体験なんてできるかしら?」,「山登りなんてできるかしら?」という自然体験に不慣れな障がい者家族の皆様にプログラムを楽しんでもらう「安心保険」ができるばかりでなく,スタッフにとっても責任感の向上,参加家族とのコミュニケーション向上などの効果も生んでいます。このスタイルを継続することで,イベントの参加者にはリピーターが多く,一度参加されるとお友達を呼んで・・・となって,今ではイベント参加者数はスタッフを含めて80名を超えるときもあります。

 ≪モリスト活動=森林療育≫
 モリスト活動の始まりである「森林療法」というプログラムは,非常に幅が広く変化に対応できる応用力があるばかりでなく,特定の対象者を持たない自由なものです。モリスティングでは,一般の方とハンディを持った方が参加者として一緒に交流することで,両者の新しい関係づくりにも役立つと考えています。また,スタッフも様々な専門分野を持っていますが,それぞれの立場でただ漠然と行動するのではなく,参加者の立場を知って,参加者の利益を考えながら行動することを第一目標にすることを意識しています。そのため,現場でのモリスティング以外に会員の医師や森林インストラクターが講師となって,様々な知識を得るための講習会も開いています。このように,イベントに集まってくる参加者とスタッフも含めてお互いが知識を与え合いながら,笑顔を求める「静岡スタイル」は,本来の「森林療法」というよりも「森林療育」と言えるのではないでしょうか。

 ≪モリストとは?≫
 「モリスト」は,「森」のスペシャリスト,「森」と生きる人,「森」を愛する人から「森’st」。森で参加者に最上級のもてなしをする意味から「MORI」と「most」を合わせて「MORIST」。もう一つは,キャラクターの「モリス」がキーワードになっています。「モリス」は,森の魅力を伝える森の住人で,森を楽しむ子どもの象徴でもあります。この「モリス」が成長し,「森の案内人」になった時に「モリスト」になるのです。「モリスト」は特別なものではありません。全国の何処でも,誰でも,「人と自然が大好きな人」が集まればできるものです。皆さんも「モリスト」になってみませんか?


これまでのモリスト活動を本にまとめました。
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